概要
神奈川県の西部、箱根山のふもとに位置する南足柄市は、面積の多くが森林に覆われており、その豊かな自然とともに暮らしと歴史を作ってきました。
南足柄市と非営利株式会社BUNDでは、そんな南足柄市産の木材が紡ぐストーリーを受け継ぎ、「南足柄の木」を“選ばれる存在”としてブランド化することに取り組んでいます。
今回はその活動のひとつとして、CHAKKAのPOPUPコンテンツ「地域着火店」で使用するスタンドを製作。内閣府が推進する「地方創生SDGs」とCHAKKAの共創企画「ヒトと地域をつなぐアクション」の体験型イベントとして、2026年2月21日と22日に開催された地域着火店でお披露目となりました。

地域のためになぜこの企画を実行したか?
南足柄市を象徴する風景のひとつである大雄山最乗寺の杉林。
六百年以上の歴史をもつ最乗寺の参道には、今も立派な杉の木々が並び、訪れる人を静かに迎えてくれています。最乗寺の森は、暮らしの中でも活かされており、杉の葉は線香に、木材は小田原提灯に使われるなど、森の木は常に人々の生活のそばにありました。
一方で、十分に手入れをされず放置されている場所も増えている現状があります。森を健やかな状態に保ち、災害から暮らしを守るために欠かせない林業は、森林が大部分を占める南足柄市にとって重要な役割を担っているにも関わらず、人手不足や採算性など多くの問題を抱えているのが実情です。
これまで多くの木材は市外に流出してしまい、どこで育った木なのか、産地が見えにくい状況にありました。こうした背景から、「南足柄の木」としての価値をきちんと伝えていくことが課題だと考えて、2024年には南足柄市小学校5校の昇降口の木質化を開始。市内だけでなく、市外へも「南足柄の木」を流通させ、林業を支えていくための継続したアクションのひとつとして、今回は地域着火店のPOPUPスタンドを製作いただきました。
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施策
ポイント① 南足柄市の地域性を存分に表現したデザイン
素材はもちろん南足柄市産の杉の間伐材を活用していますが、デザインは、南足柄市で祝祭の象徴として受け継がれてきた⼭⾞をイメージしています。
南足柄の山車は、市全体のものではなく、それぞれの地域が大切に守り、祭りのたびに街を練り歩き、人と人をつないできました。移動しながら関係性を生み、時間と場を共有する。地域着火店も、各地を巡りながら地域の魅力に火をつけていく存在として、山車のように、地域ごとの物語や個性をのせて動くことで、新しいつながりや共感を生み出していくという想いを込めてデザイン・製作しています。
ポイント② オール南足柄での取り組み
製作は非営利株式会社BUNDが中心となって、南足柄市内のつくり手と一緒に進めています。製材から組み立てまで、“オール南足柄”で。
そのプロセスごと物語として届けることで、「南足柄の木」をブランドとして大切に育て、伝えていくことを目指しています。

今後の展開
地域着火店は地域に火を灯す存在として、南足柄市の山車文化に倣い、地域ごとの物語や個性をのせながら、新しいつながりや共感を育む活動をさまざまな場所で展開していきます。
また、南足柄市の市産木材ブランド化へ向けた挑戦は、市内の各地で木材を活用した空間づくりを展開し、市民の暮らしに寄り添った、より身近な存在となるよう成長させていきます。さらには市外への流通を拡大させることで、地域への誇りを醸成できるような取り組みを“オール南足柄”の体制で進めていきます。