概要

2050年二酸化炭素(CO2)実質排出ゼロ(カーボンニュートラル)の実現に向け2022年6月22日に「南足柄市ゼロカーボンシティ宣言」を行った神奈川県南足柄市。
2025年1月には、市役所内に“カーボンニュートラル空間”をオープン。
ここでは、アサヒ飲料株式会社が展開する「CO2を食べる自動販売機」が設置されたほか、非営利株式会社BUNDでは市産材の杉の間伐材を使用した空間演出、足柄三山をモチーフにしたペットボトルキャップ回収ボックスの企画など、南足柄市らしさを詰め込んだ空間を作り上げた。

地域のためになぜこの企画を実行したか?

「南足柄市ゼロカーボンシティ宣言」をきっかけに、地域の事業者と行政が連携して脱炭素社会を実現することを目的として「カーボンニュートラル・パートナーシップ協定」を現在40の事業者と締結。
南足柄市内のステークホルダーと連携しながら、ごみの減量やリサイクル、森林の保全に資する取り組みを通じて、カーボンニュートラルの実現を目指している。

カーボンニュートラルという環境問題に対し「楽しく学ぶ」、「市民全員で取り組む」ことができる市民参加型プロジェクトとすることで環境に対する学びを深めてもらうことはもちろん、市産材や市の自然資源に触れる機会とすることで、市民が南足柄市のことをより知って、好きになる機会になればと企画を実行した。

施策

ポイント① 市産材の杉の間伐材
南足柄市産のスギの間伐材を活用して約10㎡の空間を演出。木材は、光合成によって吸収されたCO2を炭素の形で留めておくことができる「貯蔵庫」としても知られており、積極的な木材の活用はカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みになっている。

ポイント② CO2を食べる自販機
アサヒ飲料株式会社が展開する「CO2を食べる自動販売機」を設置。
この自動販売機にはCO2の吸収材が搭載されており、稼働電力由来のCO2を最大20%吸収できる仕様になっている。その吸収量はスギの木約20本分(林齢56-60年)に相当し、大気中のCO2を吸収する木と同じような役割を果たす。
また、回収されたCO2は工業原料として活用される予定で、段階的な資源循環の実現を目指している。

ポイント③ 足柄三山モチーフのペットボトルキャップ回収BOX
南足柄の自然資源である足柄三山(明神ヶ岳、金時山、矢倉岳)をモチーフにしたペットボトルキャップの回収BOXと、南足柄市や事業者のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みをお知らせするためのモニターを設置。
ここで回収されたキャップは、スーパー分別プロジェクト南足柄が市内の小学校で令和6年度(令和5年度には1校で試行)から実施している環境授業との連携を通じて、アップサイクル文房具として市内の小学生に還元する。

※スーパー分別プロジェクト南足柄・・・南足柄市と南足柄市にゆかりのある企業を中心に組織された団体。2050年カーボンニュートラルに向けて、市民の皆様がこれまで以上に一体となってカーボンニュートラル社会の実現に取り組むことができるよう、環境教育や廃棄物の分別推進等、各種の啓発活動を行っている。

今推進している活動

スーパー分別プロジェクト南足柄では、市内の小学校へ向けてプラスチックゴミ削減に向けた環境啓発授業や学校ごとのキャップの回収活動を展開。市内小学生が、自宅で出されたキャップを回収する活動を通じて、自分達の身の回りにあるゴミと思っていたものが、資源に変わる活動に主体的に関わりながら、環境に対する学びを深めていけるように支援している。今後も「楽しく学ぶ」、「市民全員で取り組む」ことができる市民参加型プロジェクトを目指し、環境教育、ペットボトルキャップの回収とアップサイクル活動、環境イベントへの出展などを展開していく予定。

南足柄市では、結婚新生活移住支援補助金として婚姻等を機に市内で新たに新生活を始める世帯に対し、空き家をリフォームした際の費用の一部を補助します。(令和7年3月31日まで)
詳しくはこちら:https://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/teiju/ijyu-shien/p08275.html