概要

富士登山の玄関口であり国内最大級のアウトレットモールでも有名な静岡県御殿場市。
定番スポットに隠れた魅力の原石がたくさんあること、そしてそれを発信したいと考えている人の存在に気づき、
”人の想い”を起点にしたクラウドファンディング型の魅力開発プロジェクトを立ち上げた。

クラウドファンディングのプロジェクトオーナーとなるのは「市民」。
周りの人の協力や、プロジェクトを通じた市外・県外の支援者の力を借りながら、新しい御殿場の魅力創出に挑戦する。

地域のためになぜこの企画を実行したか?

このまちに続く仕事や受け継ぎたい資産を守り・知ってほしいと思っている方々が御殿場市には多くいるが、情報発信や魅力開発のノウハウがない・資金面の問題など、活動を始める一歩を踏み出せていないという現状があった。
そこでクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」内に、御殿場市の魅力を開発するプロジェクトをキュレーションする「ワク!ワク!御殿場」をオープン。「ワク!ワク!御殿場」の中でプロジェクトに挑戦する市民に、企画・広報宣伝のサポートを市から提供する体制を構築した。

実行の中での課題

ひとことにプロジェクトに挑戦、といっても、共感を生むストーリー作りや魅力あるリターンの用意・収支計算・支援者を集める宣伝活動など、プロジェクトオーナーが準備するべきことが多岐にわたる。プロジェクトオーナーが本業と両立しながら進行するためには余裕を持ったスケジュールが必要であった。プロジェクトオーナーがPCでの作業やオンライン会議に不慣れな場合も多かったため、プロジェクトサイトページの開設の際のクリエイティブ制作や伝わりやすいストーリー作りなど、実際の作業自体も分担しながら伴走する。また告知も大きな課題の一つで、まずはオーナー自身がどれだけ身の周りで事前周知できるかどうかで達成率・スピードが左右された。

施策

【1件目】
御殿場に受け継がれる伝統文化「茅」をテーマにしたプロジェクト。
世界遺産白川郷の屋根にも使われる良質な茅が御殿場で育っていること、茅刈りや茅葺き作業に携わる人が減っている現状を発信。
【2件目】
御殿場の新しい魅力を知ってもらうための、お土産開発にチャレンジしたプロジェクト。
「御殿場温泉・サウナ 天国めぐりキャンペーン」から派生し、富士山の伏流水を使用した入浴料「御殿場 天国の素」を製作。
【3件目】
「御殿場の田んぼがある風景を守っていきたい」という想いを持った新米の米農家さんのプロジェクト。
御殿場コシヒカリを使った”ポン菓子”を通じて楽しみながら御殿場を知ってもらいたいという野望の実現に取り組む。
【4件目】
その地域に続く農家の暮らしを伝える「農泊」をもっと多くの人に知ってほしいという民宿の主人が取り組むプロジェクト。
海外からも注目される御殿場の農泊をより魅力的にする「わさび」に触れる体験の提供を目指す。

※2025年2月にさらに1件プロジェクト公開予定

効果

プロジェクトオーナーの想いが「支援」という形で認められ、「今度は自分でこんな活動もしてみたい」というように地域への誇りや能動的な気持ちを持つことに繋がっている。またリターンを地域の事業者同士で協力して作ったり、「ワク!ワク!御殿場」で挑戦した活動や成功体験について仲間同士でお話ししてくださった方もおり、市民間での地域の魅力づくりに対するきっかけづくりとしても機能している。